地上型レーザースキャナは、これまで膨大な手間と時間を要した作業を驚くほどスムーズにする大規模点群編集ツールです。
計測対象にレーザーを放射状に照射し、3次元の表面形状を取得する計測機器です。毎秒数万点以上の点データを非接触で計測し、高密度で面的な点群データをとることができます。さらに、計測ができない計測対象の裏側や広範囲のエリアでも、複数のスキャンデータを使い、合成、座標付けをすることができます。
地上型レーザースキャナは、50万点/秒のスピードで水平360°、鉛直282°の範囲を最速1分34秒(写真なし)でスキャンできます。3次元位置精度は、3mmの高精度を誇る地上型レーザースキャナです。この高い3次元位置精度は対象物を正確に計測できるだけでなく、自動合成も実現しています。
i-Constructionでは起工測量、出来形計測時に点群データを取得するため、3次元レーザースキャナが活用されます。起工測量では、計測範囲内をくまなく計測できます。計測後、データをコンピュータに取り込み、計測データを合成し、不必要な点群データ(重機や植生など)のノイズを処理します。起工測量データを3次元設計データと比較することで、盛土・切土の土量を算出したり、任意の位置で現況横断図を切り出したりすることができます。
UAVと地上型レーザースキャナの組み合わせ
地上型レーザースキャナとUAVによるデータは、3次元座標の集合体です。そのため、この2つのデータを同じ座標系として扱い、1つのデータに統合します。建物の壁面などを地上型レーザースキャナで計測し、レーザーの届きにくい屋根などは上空からUAVで計測することで、従来は表現が難しかった建物全体のまるごと3次元化することが可能です。
これまで膨大な手間と時間を要した作業を驚くほどスムーズにする大規模点群編集ツール
オリジナルデータ
グランドデータ
平面図
断面図
断面図
UAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人航空機、ドローン)がi-Constructionへ注目されていますが、UAVは、さまざまな計測に活用できます。UAVに、デジタルカメラや各種センサーを搭載することができ、上空からさまざまなデータを収集できます。例えば、デジタルカメラの写真データより、地形などの3次元モデルやオルソ画像を作成することができます。
土木分野においては、施工現場の上空より写真を撮影、土量の算出に活用することができます。また、橋梁など土木構造物の点検・維持管理業務にも活用できます。
UAVより、上空から撮影した画像を解析し、点群データを作成します。解析には、SfM(Structure from Motion)という手法が用いられ、SfMは、UAVによる空撮や手持ちカメラによる撮影など視点を変えながら撮影された複数枚の画像より自動的に特徴点を抽出し、カメラの撮影位置と3次元形状を解析する手法です。
UAVによる空撮画像をこのSfMで解析することにより、3次元点群データとオルソ画像(空中写真を真上から見たような歪みのない正射投影画像)を作成できます。
ドローン搭載レーザースキャナー DJI ZenmuseL1
①地上レーザ
②地上レーザ+UAVレーザ
UAV
地上レーザスキャナ観測